近刊案内
2025年8月5日
9月以降の近刊
亀たちの時間
9月上旬発売予定
フランチェスカ・スコッティ 著/北代美和子 訳
四六判上製 160頁
予価2000円+税
ISBN978-4-7684-5981-2
イタリアと日本に拠点を置く女性作家の短編小説集。全体を貫くテーマは「別離」。家族、恋人、友人など、さまざまな関係が終わりを迎える瞬間を、時に幻想的に、時にリアルに描きだす。15の物語がわずか数ページのうちに展開され、読者に強烈な余韻を残す。
[著者紹介]
フランチェスカ・スコッティ
1981年、ミラノ生まれ。2011年より、イタリアと日本で生活し、現在の日本社会にも精通している。
コンセルヴァトーリオ(音楽学校)を卒業。法学で学士号取得。
2011年、マントヴァ文学祭で短編集Qualcosa di similiがScritture Giovani(若い作家の文学)に選ばれる。同書でFucni賞受賞、Jiyce Lussu賞最終候補。
そのほかの著作にIl cuore insperto(2015)、Elissi(2017)、Capacita Vitale(2019)、挿画入りアンソロジーLa camera degli animali、絵本Incanto del buioなどがある。
最新作はShimaguni, Atlante narrato delle isole del Giappone(2023 挿画・浦上和久)。
北代美和子(きだだい・みわこ)
東京都生まれ。
日本通訳翻訳学会会長(2020/10-2022/09)。日伊協会イタリア語講座講師(2021-)。英語、フランス語、イタリア語の翻訳者。
1978年、上智大学大学院外国語学研究科言語学専攻修士課程修了。文学修士。
『イサム・ノグチ エッセイ』(イサム・ノグチ、みすず書房)、『105歳の料理人ローズの愛と笑いと復讐』(フランツ=オリヴィエ・ジズベール、河出書房新社)など、翻訳多数。
リプロダクティブ・ジャスティス
引き裂かれる性と生殖の権利
2025年12月上旬発売予定
一般社団法人ふぇみ・ゼミ&カフェ 編
A5判並製 208頁
予価2000円+税
ISBN978-4-7684-5957-7
一般社団法人ふぇみ・ゼミ&カフェが2022年に開催した連続講座「引き裂かれる性と生殖の権利」の講演録を加筆・修正し、新たな内容を加えて書籍化。
「リプロダクティブ・ジャスティス=性と生殖の正義と公正」は、90 年代からアメリカの黒人フェミニストやセクシュアリティが掲げてきた。性と生殖の権利を語る時、例えば貧困層や移民、人種的マイノリティの女性たちの権利は周縁に追いやられ、そこにはジェンダー以外にも様々な差別があることを見落としてはならないというインターセクショナリティ(差別の交差性)の指摘であり、@子どもを持たない権利、A子どもを持つ権利、B安全で健康な環境で、子どもの親になる権利を要求してきた。さらにセクシュアル・マイノリティやセックスワーカーの経験から性的自己決定権及びジェンダーの自由も重要だとされる。これまでの議論の中で見落とされ、「つけ加え」として扱われてきた人たちの経験から、日本で生きる私たちにとってのリプロダクティブ・ジャスティスを問い返すものである。
【著者紹介】
ジェンダーと多様性についての一般向け講座を開催する「ふぇみ・ゼミ」(2017年設立) と、ジェンダーと様々なテーマをつなぐアート&カルチャーの公演やイベントを開催する 「ゆる・ふぇみカフェ」(2014年設立)が共同で設立した非営利型一般社団法人。 差別の交差性(インターセクショナリティ)の視点に立って、@講座、公演、展示などの企画・開催A若い世代の研究者、アクティビスト、アーティストの育成B調査研究と提言活動などを行っている。