近刊案内
2024年8月30日
9月以降の近刊
障害から考える人間の問い
9月下旬発売予定
ダン・グッドリー 著/石島健太郎 訳
A5判並製 168頁
定価2000円+税
ISBN978-4-7684-3604-2
「この本を通じて、あなたが障害学に取り組むべきであることを明らかにしよう。21世紀において人間であるとはどういうことなのかを考えようとするとき、障害が多くのことを教えてくれるからだ」。従来の障害学を根本から問い直す「批判的障害学」(CDS:Critical Disability Studies)の旗手として注目の著者が、エッセイを織り交ぜて書いた障害学入門書。障害学の研究者が現在の英語圏の議論を理解するための入口としても最適な一冊。
批判的障害学の旗手が贈る、やさしい入門書! 英語圏の最新議論も網羅。
【著者・訳者紹介】
ダン・グッドリー
イギリス・シェフィールド大学教授。専門は障害学。従来の障害学理論を問い直す批判的障害学(CDS: Critical Disability Studies)の旗手であり、Dis/Ability Studies(Routledge)、Disability Studies(Sage)など著書多数。
石島健太郎(いしじま・けんたろう)
東京都立大学准教授。専門は障害学、福祉社会学。単著に『考える手足』(晃洋書房)、共編著に『戦後日本の貧困と社会保障』(東京大学出版会、近刊)、共訳書に『21世紀を生きるための社会学の教科書』(筑摩書房)など。
暖簾の紋章
社名とマークから読み解く企業の心
10月上旬発売予定
村中憲二 著
四六判並製 448頁
定価4500円+税
ISBN978-4-7684-5967-6
江戸時代、武士は家名と家紋で自らを表したが、家名の名乗りを許されない商人や職人は店の名称である屋号と店の紋章である暖簾で自らを表した。暖簾紋は商家の入口に下げられた暖簾に染め抜かれた紋章のことで、図柄も意味合いも家紋とほぼ同じであると言っていい。
広告宣伝手段のあまり多くない時代、屋号と暖簾紋は現在よりはるかに重要だった。転じて、暖簾という言葉は店主や店の信用を表すようにもなった。ドラマには「暖簾にかけて……」という台詞があるように暖簾は物理的な存在というより、その店が存在を知られ、信用されていること、さらに言えばその背景にある文化であり、ブランド力とも言えるだろう。
本書は「屋号」と「暖簾紋」の生まれた歴史的経緯にスポットをあて、それらができあがった背景や変化していった経緯を知ることで、創業者の想い、暖簾経営哲学、各企業がどのように時代に寄り添い生き抜いたかを調べたものである。
家紋に比べ暖簾紋を研究した書物は少なく、詳細を知るのは難しいのだが江戸後期から明治にかけて、各地で商家の案内本が作られていて、暖簾紋も多く掲出されている。それらから27,702点を採取し分類した。
それら企業情報は創業ストーリーになっており、興味深い歴史物語である。
【著者紹介】
村中憲二(むらなか・けんじ)
1950年山口県生。法政大学卒業。出版社勤務後、編集プロダクションを設立し『わたしの藤沢周平』(文春文庫)をはじめ、多くの出版物、P R 誌など広報制作物の編集・執筆を行っている。また大手銀行系シンクタンクのビジネス誌を編集統括し、数百社の優良中堅企業を取材・執筆する。社史の執筆も多く、『太陽ホールディングス60年史』では日本経営史研究所主催の優秀会社史賞、『ニチバン100年史』では全国カタログ展銀賞を受賞。家紋では『家紋の本』(宝島社)を編集統括した。
グレートウーマンに会いに行く
それぞれの人生と活動にリスペクトを込めて
10月上旬発売予定
福島みずほ 編
四六判並製 376頁
予価2500円+税
ISBN978-4-7684-5968-3
福島みずほが、今いちばん「会いたい人」に会いに行く。大好評のYouTube企画『グレートウーマンに会いに行く』待望の書籍化!
『グレートウーマンに会いに行く』は、2023年11月より社民党副党首 福島みずほのYouTubeチャンネル「みずほチャンネル」にて定期発信されている対談企画である。
本書は、福島みずほと22名の女性先駆者、すなわち「グレートウーマン」による対談を完全書籍化。
ケアワーク、教育、平和、そしてウーマンリブ・フェミニズムなど、彼女たちの取り組むテーマはいずれも現代社会の抱える問題と地続きである。女性たちは先駆者としていかに闘い、道を切り開いてきたのか。1960年代以降の「日本のグレートウーマン」の活動を入門的に紹介。
対談では語られなかった福島みずほの想いや補足資料、写真をふんだんに盛り込み、日本各地で激動の昭和〜平成を駆け抜けた女性たちの切実な息吹や熱量、活動の空気感をつぶさにお届けする。
女性活動家たちの人生と活動にリスペクトを込めて贈る、記念碑的一冊。
【著者紹介】
福島みずほ(ふくしま・みずほ)
社会民主党党首、参議院議員(全国比例区・5期目)、弁護士。1955年宮崎県生まれ。東京大学法学部卒業。弁護士として選択的夫婦別姓制度、婚外子差別、外国人差別、セクシュアル・ハラスメントなどに取り組む。日弁連両性の平等に関する委員会委員、川崎市男女平等推進協議会会長、東京都エイズ専門家会議委員などを歴任。国会では、環境・人権・女性・平和を4本柱に据え幅広く活動中。主な活動分野は、脱原発、自然エネルギー促進、労働問題・非正規雇用者の待遇改善、選択的夫婦別姓・同性婚実現、平和問題、盗聴法廃止、被拘禁者・外国人・難民の人権擁護、犬猫殺処分ゼロなど。法務委員会、憲法審査会、予算委員会、地方デジタル特別委員会に所属。著書に『結婚と家族』(岩波書店)、『裁判の女性学』(有斐閣)、『みんなの憲法二四条』(明石書店)ほか多数。趣味は映画鑑賞と旅行。
【主な目次】
はじめに
第一章 地域で輝くグレートウーマンたち
・市場恵子
・高里鈴代
・狩俣信子
第二章 法の現場のグレートウーマンたち
・戒能民江
・林陽子
・大谷恭子
・角田由紀子
第三章 ケアの現場のグレートウーマンたち
・齊藤朋子
・渋谷路世
・小島美里
第四章 教育現場のグレートウーマンたち
・山下泰子
・田中優子
第五章 平和を願うグレートウーマンたち
・武藤類子
・清末愛砂
・山本すみ子
・三上智恵
第六章 共生社会を目指すグレートウーマンたち
・鴨桃代
・浜矩子
・袴田秀子
第七章 ジェンダー平等を目指すグレートウーマンたち
・中山千夏
・上野千鶴子
・田中美津
あとがき
「グレートウーマン」年表
リプロダクティブ・ジャスティス
引き裂かれる性と生殖の権利
12月上旬発売予定
一般社団法人ふぇみ・ゼミ&カフェ 編
A5判並製 208頁
予価2000円+税
ISBN978-4-7684-5957-7
一般社団法人ふぇみ・ゼミ&カフェが2022年に開催した連続講座「引き裂かれる性と生殖の権利」の講演録を加筆・修正し、新たな内容を加えて書籍化。
「リプロダクティブ・ジャスティス=性と生殖の正義と公正」は、90 年代からアメリカの黒人フェミニストやセクシュアリティが掲げてきた。性と生殖の権利を語る時、例えば貧困層や移民、人種的マイノリティの女性たちの権利は周縁に追いやられ、そこにはジェンダー以外にも様々な差別があることを見落としてはならないというインターセクショナリティ(差別の交差性)の指摘であり、@子どもを持たない権利、A子どもを持つ権利、B安全で健康な環境で、子どもの親になる権利を要求してきた。さらにセクシュアル・マイノリティやセックスワーカーの経験から性的自己決定権及びジェンダーの自由も重要だとされる。これまでの議論の中で見落とされ、「つけ加え」として扱われてきた人たちの経験から、日本で生きる私たちにとってのリプロダクティブ・ジャスティスを問い返すものである。
【著者紹介】
ジェンダーと多様性についての一般向け講座を開催する「ふぇみ・ゼミ」(2017年設立) と、ジェンダーと様々なテーマをつなぐアート&カルチャーの公演やイベントを開催する 「ゆる・ふぇみカフェ」(2014年設立)が共同で設立した非営利型一般社団法人。 差別の交差性(インターセクショナリティ)の視点に立って、@講座、公演、展示などの企画・開催A若い世代の研究者、アクティビスト、アーティストの育成B調査研究と提言活動などを行っている。