近刊案内
2025年7月3日
7月以降の近刊
48 歳、初産のリアル
仕事・妊活そして育児・介護
7月下旬発売予定
遠藤富美子 著
四六判並製 224頁
定価2000円+税
ISBN978-4-7684-5977-5
仕事一筋に生きてきた新聞記者の女性が、48 歳で「超高齢出産」を体験。不妊治療、流産、高齢出産、親の介護、仕事など様々な課題と格闘する自身をひとつのサンプルととらえ、同じような経験をしたり、今後の生き方を考えたりする人たちの一助になれば、との一念で綴る。不妊治療を終結して新たな人生を歩み出した人、特別養子縁組で子どもを育てている人たちのエピソードも紹介。産後ケアや家事、定年後の働き方、ファイナンシャルプランなど様々な分野の専門家のコメントを交え、多様な情報提供に努めた。
Yahoo ! ニュースと読売新聞の共同企画として圧倒的に
読まれ大反響の連載に大幅加筆し、待望の単行本化!
[著者紹介]
遠藤富美子(えんどう・ふみこ)
読売新聞東京本社英字新聞部記者。1995 年、読売新聞社に入社し、北海道支社、国際部、マニラ支局、金沢支局、生活部などを経て現職。不妊体験者を支援するNPO 法人「Fine」認定の不妊ピア・カウンセラーの資格を持つ。
国から見すてられる人びと
障害者・ホームレス・非行少年を排除する社会で
7月下旬発売予定
鈴木文治 著
四六判並製 288頁
定価2300円+税
ISBN978-4-7684-5980-5
本書が取り上げるのは、「棄民」、すなわち国家にとって不必要な存在として救済から見棄てられた人々の代表といえる、「障害者」「非行少年」「ホームレス」の実態である。
障害者教育を専門とする教師とキリスト教の牧師という立場を経験した著者にしか暴くことのできない、現代社会の闇と傲慢、そして真のインクルーシブ社会への展望。
[著者紹介]
鈴木文治(すずき・ふみはる)
1948年長野県飯田市生まれ。中央大学法学部法律学科及び立教大学文学部キリスト教学科卒業。川崎市立中学校教諭、神奈川県教育委員会、神奈川県立盲学校長、県立養護学校長 、田園調布学園大学教授、日本キリスト教団桜本教会牧師等を歴任。著書に、『排除する学校:特別支援学校の児童生徒の急増が意味するもの』(明石書店)、『ホームレス障害者:彼らを路上に追いやるもの』(日本評論社)、『差別する宗教:インクルージョンの視座からの告発』(現代書館)など。
増補新装版 差別されてる自覚はあるか
横田弘と青い芝の会「行動綱領」
8月中旬発売予定
荒井裕樹 著
四六判並製 312頁
予価2400円+税
ISBN978-4-7684-3612-7
1970〜80年代の障害者運動を牽引し、「否定されるいのち」の立場から健全者社会に鮮烈な批判を繰り広げた日本脳性マヒ者協会青い芝の会の「行動綱領」を起草、理論的支柱であった故・横田弘の思想と今日的な意義を探究する。
と書くと、何やら堅苦しいですが、本書のポイントは、日本文学者である荒井裕樹さんが、過激とも称された「青い芝の会」(バスジャックまで展開した)の活動の中で、どうして横田さんが「行動綱領」(これまた強い言葉が並ぶ)を書かねばならなかったのか、どうしてこんな過激な内容になったのか、誰に向けて書いたものなのか、そうしたいくつもの「なぜ」を、これまでの横田さんとの関わりや資料・史料を通じて読み解いていくことにあります。
2017年、「津久井やまゆり園事件」の直後に刊行されたオリジナル版に、いま〈共に生きる〉とはどういうことか、新たな論考を加えた増補新装版です。
[著者紹介]
荒井裕樹(あらい・ゆうき)
1980年、東京都生まれ。 専門は障害者文化論、日本近現代文学。 東京大学大学院人文社会系研究科修了。 博士(文学)。 二松学舎大学文学部准教授。 障害や病気とともに生きる人たちの自己表現活動をテーマに研究・執筆を続ける。 著書に『隔離の文学──ハンセン病療養所の自己表現史』(書肆アルス)、『生きていく絵──アートが人を〈癒す〉とき』(亜紀書房)、『差別されてる自覚はあるか──横田弘と青い芝の会「行動綱領」』(現代書館)、『障害者差別を問いなおす』(筑摩書房)、『車椅子の横に立つ人──障害から見つめる「生きにくさ」』(青土社)、『まとまらない言葉を生きる』(柏書房)などがある。
2022年、「第15回わたくし、つまりNobody賞」を受賞。
亀たちの時間
9月上旬発売予定
フランチェスカ・スコッティ 著/北代美和子 訳
四六判上製 160頁
予価2000円+税
ISBN978-4-7684-5981-2
イタリアと日本に拠点を置く女性作家の短編小説集。全体を貫くテーマは「別離」。家族、恋人、友人など、さまざまな関係が終わりを迎える瞬間を、時に幻想的に、時にリアルに描きだす。15の物語がわずか数ページのうちに展開され、読者に強烈な余韻を残す。
[著者紹介]
フランチェスカ・スコッティ
1981年、ミラノ生まれ。2011年より、イタリアと日本で生活し、現在の日本社会にも精通している。
コンセルヴァトーリオ(音楽学校)を卒業。法学で学士号取得。
2011年、マントヴァ文学祭で短編集Qualcosa di similiがScritture Giovani(若い作家の文学)に選ばれる。同書でFucni賞受賞、Jiyce Lussu賞最終候補。
そのほかの著作にIl cuore insperto(2015)、Elissi(2017)、Capacita Vitale(2019)、挿画入りアンソロジーLa camera degli animali、絵本Incanto del buioなどがある。
最新作はShimaguni, Atlante narrato delle isole del Giappone(2023 挿画・浦上和久)。
北代美和子(きだだい・みわこ)
東京都生まれ。
日本通訳翻訳学会会長(2020/10-2022/09)。日伊協会イタリア語講座講師(2021-)。英語、フランス語、イタリア語の翻訳者。
1978年、上智大学大学院外国語学研究科言語学専攻修士課程修了。文学修士。
『イサム・ノグチ エッセイ』(イサム・ノグチ、みすず書房)、『105歳の料理人ローズの愛と笑いと復讐』(フランツ=オリヴィエ・ジズベール、河出書房新社)など、翻訳多数。
リプロダクティブ・ジャスティス
引き裂かれる性と生殖の権利
2025年12月上旬発売予定
一般社団法人ふぇみ・ゼミ&カフェ 編
A5判並製 208頁
予価2000円+税
ISBN978-4-7684-5957-7
一般社団法人ふぇみ・ゼミ&カフェが2022年に開催した連続講座「引き裂かれる性と生殖の権利」の講演録を加筆・修正し、新たな内容を加えて書籍化。
「リプロダクティブ・ジャスティス=性と生殖の正義と公正」は、90 年代からアメリカの黒人フェミニストやセクシュアリティが掲げてきた。性と生殖の権利を語る時、例えば貧困層や移民、人種的マイノリティの女性たちの権利は周縁に追いやられ、そこにはジェンダー以外にも様々な差別があることを見落としてはならないというインターセクショナリティ(差別の交差性)の指摘であり、@子どもを持たない権利、A子どもを持つ権利、B安全で健康な環境で、子どもの親になる権利を要求してきた。さらにセクシュアル・マイノリティやセックスワーカーの経験から性的自己決定権及びジェンダーの自由も重要だとされる。これまでの議論の中で見落とされ、「つけ加え」として扱われてきた人たちの経験から、日本で生きる私たちにとってのリプロダクティブ・ジャスティスを問い返すものである。
【著者紹介】
ジェンダーと多様性についての一般向け講座を開催する「ふぇみ・ゼミ」(2017年設立) と、ジェンダーと様々なテーマをつなぐアート&カルチャーの公演やイベントを開催する 「ゆる・ふぇみカフェ」(2014年設立)が共同で設立した非営利型一般社団法人。 差別の交差性(インターセクショナリティ)の視点に立って、@講座、公演、展示などの企画・開催A若い世代の研究者、アクティビスト、アーティストの育成B調査研究と提言活動などを行っている。