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ウィキペディア投稿者に抗議する

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 石川優実著『#KuToo――靴から考える本気のフェミニズム』に対して出版後これを批判するまとめサイトが作られ、そこにおいて「著作権侵害」なる根拠なき誹謗が加えられた。
 これに対して、2019年11月29日に、弊社は、著作権法32条の引用規定に関する通常の見解を挙げて、本書籍が適法引用から成り立っている旨の見解を公表した。
その後、あろうことか、ウィキペディアには、「著作権侵害にあたるとする弁護士がいる」と当初その弁護士の実名を挙げて投稿した人物がいた。
1月17日現在、何故か弁護士名が削除されるにいたっているが、にもかかわらず「石川の著作が著作権侵害にあたるとの見解を示す弁護士もいる」という記載を公表し続けている。
 そこには、引用であるとの弊社見解への反論はなく、単に弁護士の意見なるものが弁護士名を匿名化したうえで併記され、あたかも著作権侵害の見解に法的な根拠があるかのような記載を続けている。投稿者がこのような見解を維持するのであれば、明確な根拠に基づく反論を明示すべきであり、そうでないなら記載を速やかに削除すべきである。
 また同項目には、弊社が「ツイートを無断で改変したことについての説明はされなかった」ことを理由として、引用に関する弊社の前記説明だけでは「説明が不十分であるとして同一性保持権侵害が問題視され」ているとし、ツイート上でそのような「石川及び現代書館に対する批判がある」とし、あたかも同一性保持権侵害であるかの誹謗が記載されている。
 しかしこの点もまず、投稿者が言うところの「ツイートを無断で改変した」という前提事実が同項目の記載上で明らかにされていない点で不可解な記載である。
 が、それのみならず、本書には「ツイートを無断で改変した」事実が存在しない。したがって、このような根拠なき主張に対していちいち格別の説明をする必要がないことは明らかであったから無視したに過ぎない。しかし投稿者の記載は、前提を欠くツイートに対しても反論説明すべきであるとなぜか主張し、弊社の当然の無視をことさら説明責任の回避であるかに言い立てる見解を掲載している。
 よって、ここに反論しておく。
といっても、何を前提事実としているのか投稿者の記載からは不明なので、前出の弁護士のツイートを調べたところ、どうやら、ツイート上でのやり取りにおいて石川さんが当時の反論についての自己の意見を本書の中で補充していることを同弁護士が指して同一性保持権侵害らしき主張をしている部分があった。これが投稿者の前記記述の根拠か否かは定かではないが、そもそも投稿者は自己の記事の主張の前提認識を明らかにしていないのであくまでも推測に過ぎないことをお断りしたうえでこの見解を投稿者が同一性侵害なる記述の根拠だとしていると仮定して一応これについて反論する。
 前記弁護士のツイートの文章表現はわかりにくいが、そのツイートを読むと、ツイート上での当時のやり取りにおいて石川さんが反論していた自己の意見を本書の中で補充していることを指して、同一性保持権侵害らしき非難をしているに過ぎない。
 しかし、石川さんが「他人の著作物」に手を加えた部分はなく、自己の著作物を補充したに過ぎないのであるから、そもそも同一性保持権侵害の問題ではない。何故なら、同一性保持権侵害とは、引用その他において、「他人の著作物」に手を加えることだからである。反論すら不要と判断して無視した理由はここにある。
 いずれにおいても、投稿者の記述には上記のとおり理由がない。
 しかも投稿者による石川さん及び弊社に対する非難の手法は、投稿者が「何」をとらえて論じているのか具体的に触れないまま、著作権侵害とか同一性保持権侵害とか非難しているのであって、このような手法は反論を回避するための悪質な手法と言わざるをえない。
 速やかな記載の訂正を求める。
 なお、これらの見解は、『Q&A 引用・転載の実務と著作権法』(中央経済社刊)の編著者の一人である虎ノ門総合法律事務所の弁護士北村行夫氏の助言を得たものである。

2020年1月17日
現代書館 監理室長


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