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「東北の魂」に学ぶ

「東北の魂」に学ぶ

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H00048

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 日常の実感ではまったくそう思えないのですが、報道を見ていますと日本の景気が少し良くなっているというニュースが流れています。本当でしょうか? 「景気が持ち直しているなんて、いったいどこの誰の話だ?」とつい考え込んでしまいますが、TPP交渉に参加表明後、以前に増して強く問われていることがまさにこの点ではないでしょうか? いま、この日本で豊かになるべきは誰なのでしょうか?
 もちろん努力して成功した人間こそ豊かになるべきなのですが、そんなシンプルな構図は、2年前の3・11後には現実的なものではなくなっているというのも多くの日本人の実感だと思います。
 東北を中心とした被災地では、震災と津波からの復興はいまも困難な途上にあり、原発事故はまだ収束のめどもついていません。懸命な努力を続ける東北の人びとが真に豊かになるための社会条件を整えることこそ日本の緊急課題であることは明らかなのに、その要請に政府も、われわれも応えられているのでしょうか?

 このたび、小社から高橋克彦氏の最新作『東北・蝦夷(えみし)の魂』が刊行されました。
 直木賞作家の高橋氏は全国的に知られた小説家ですが、岩手県釜石市で生まれ育った東北人です。彼の作品にも『炎立つ』『火怨』『天を衝く』『風の陣』など東北を舞台にした作品も多く、盛岡文士劇発起人としても地元の文化振興に尽力されている人物でもあります。
 中央政府から略奪され、かけがえのない郷土を一方的な価値観で「田舎」と周辺化されてしまっていた歴史を詳しく紐解きながら、東北の誇り高き魂の来歴を今日に伝えてくる本です。
 そして、その東北の魂への共感こそが、日本全体の再生の底力になるという力強いメッセージをわたしたちに届けてくれます。

 困難なときだからこそ「和」の心をもって決然と立ち上がる雄姿は勿論、一朝一夕に得られるものではありません。虐げられ、抗い続けた歴史を生き抜いた人びとの歴史は今ようやく、正しい評価が始まったばかりです。
 東北の人をはじめとして、震災で傷ついた日本の再生を願うすべての人に高橋氏から送られたメッセージです。
 東北の歴史から、もう一度国づくりを始めよう、という新しい声を受け止め、未来を共に考えるための一冊です。
 是非、いまこそ手に取られてください。


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