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福島からのお手紙

福島からのお手紙

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 4月12日、毎日新聞の投稿欄「みんなの広場」に、福島県南相馬市の女性の方のお手紙が掲載されました。
地震・津波、そして原発事故の被害に遭われた方が『〈3・11後〉忘却に抗して──識者53人の言葉』(毎日新聞夕刊編集部編、小社刊)をお読みくださった感想を寄せられています。
この本は2011年3月、まだ余震が続く中で取材・連載が始まった毎日新聞夕刊の連続インタビュー「日本よ!」を単行本にまとめたものです。震災直後から1年以上にわたり各界の識者に、日本の現状と今後の取るべき指針について尋ねたものです。投稿された女性の方は、毎日新聞にその読書感想を寄せられました。
福島県南相馬市にお住まいの、たいへん熱心な読書家でいらっしゃるこの女性は、本書を読むため長い時間をかけられたそうです。途中で何度も目を閉じ、考え、時間をかけて53人の識者たちの言葉を読まれたとおっしゃっています。
この方をはじめとして被災者の方々は、過酷な状況の中、どれだけ辛い想いをされていらっしゃったのでしょう。夕刊を読むことも叶わない日々を過ごされたこの女性がこの本を読まれ、今現在も深く考え続けられていらっしゃることを重く受け止めました。震災・津波被害からの復興はまだ緒に就いたばかりだということを、改めて強く思います。
原発事故は収束どころか、事故そのものが現在も進行中です。今年に入っても停電による冷却システムの停止や、放射能汚染水流出事故が相次いで発生しています。原発事故から2年が過ぎても綱渡りにも似た危険な状況は続いています。
高い線量の中、手探りの作業が続いている現場では、作業員の被曝リスクなどさまざまな危機に直面しています。メルトダウンしている燃料の取り出しは、溶解燃料の状態・場所の確認もままならず、その作業工程ははっきりとした見通しも立っていないことは報道されている通りです。福島の被災者の方々をはじめとして、今の日本にとって極めて深刻なこの最優先課題に政府は本当にしっかりと向き合っているのでしょうか? 

南相馬市の女性の方は『〈3・11後〉忘却に抗して──識者53人の言葉』をお読みになり、この本への感謝の言葉をお書きくださいました。この本のタイトルである「忘却に抗する」ことの重要性を改めて痛感しております。
今、現政権は原発再稼働に向け動きを活発化していますが、それは本当に適切な選択なのでしょうか? 今わたしたちに問われている選択がどのようなものになるにしても、震災・原発事故への記憶を軸にした選択であるべきと強く教えてくださる貴重なご意見でした。
被災地の皆様、避難生活を強いられていらっしゃる方々へ心よりお見舞い申し上げます。


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