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人世坐大騒動顛末記

三角寛サンカ選集 第十五巻 人世坐大騒動顛末記

装幀 毛利一枝

三角 寛 著
判型
四六判 上製 448ページ
定価
3500円+税
ISBN4-7684-7035-1

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 戦前にサンカ小説を書きベストセラー作家として名をなした三角寛は、戦後の1948年に池袋東口に三角寛流の閃きによって映画館・人世坐を創設する。焼け野ガ原の池袋の500坪で450名収容の木造の劇場を建設する。三角寛は映画には無知でまったく関心がなかったというから当時としては無謀というか快挙というかの出来事である。「文士経営」として徳川無声、吉川英治、井伏鱒二、今出海等を株主にしての経営は世に大いに話題を提供した。そして、映画が大衆娯楽の中心となり始めた頃であり、まずは順調なスタートを切ったといえる。
 1951年に映画・演劇青年の山下大四郎氏が三浦家(三角寛の本姓)の婿養子となり寛子さんと結婚する。以降、三浦大四郎氏が上映のプログラムなどの作成にあたり実質的な経営に参加し、その上映映画はヒット、ヒットの連続で観客動員は急増する。ちょうど映画が娯楽の王様として君臨し始めた時期で、人世坐は名画座としての地位を不動のものにする。
 それらを背景に1952年に板橋に弁天坐、1955年に文芸坐地下劇場、翌年に文芸坐本館をオープンさせる。
 家族経営的で順調な映画経営であったが、1959年1月7日に4館の興行会社としての正式名称「文芸会館人生坐」に労組が結成される。組合員57名で従業員労働条件の改善等を目的として、労働組合が結成されるのは当然のことではある。三角寛社長の家父長的な経営と、当時は60年安保の前年で階級闘争、政治闘争が盛り上がった中での組合闘争で縺れに縺れた泥沼の闘争となり、1年以上も続き1960年3月に解決するという、中小企業の闘争としては異常といえるものである。
 さすが元・朝日新聞記者・三角寛がこの闘争の経緯を逐次記録し、校正ゲラに訂正に赤字をいれて残して出版されることなく眠っていたものが、数年まえに三浦家で発見されたのである。なぜ、出版に至らなかったかは今となっては知る由もない。

[著者紹介・編集担当者より]
三角寛は一筋縄ではいかない怪物である。ケッタイな人である。本書は三角寛からの見た「人生坐闘争史」であるが割り引いてみても、三角寛のほうが泰然としてその人物スケール大きさを感じさせる。近代の枠に囚われず必死に生きようとしていたことには間違いあるまい。その本音出ている本書は傑作でもある。60年安保の頃とはいえ人生坐をはじめ中小企業の組合闘争を革命の拠点にするといった闘争のあり方は反省する点も多くあると思われ、その意味でも貴重なものである。三角寛の残した唯一本邦初の本である。


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