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一人娘

一人娘

装画:澤井昌平 装丁:桜井雄一郎

グアダルーペ・ネッテル 著/宇野和美 訳
2025年11月17日発売!
判型
四六判 上製 272ページ
定価
2800円+税
ISBN978-4-7684-5983-6

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ブッカー国際賞最終候補作
カラモもうひとつの視点賞受賞作

わたしの予想は、最高の形で裏切られました。
この物語を読んでいるあいだ、イネスはわたしの子どもだったし、アリナはわたしの友人だったし、ドリスとニコラスはわたしの隣人だった。
「産む/産まない」の先にある人生とはこんなにも長く、
容易でなく、なんとかけがえのないものか。
やっぱりわたしはネッテルの作品がとても好きです。
大塚真祐子(文筆家・元書店員)

わたし(ラウラ)とアリナは親友で、20代のころはお互いに「子どもは産まない」と誓い合った仲だった。その意志をかたくなに貫くラウラとは裏腹に、アリナは結婚し、やがて子ども(イネス)を身ごもる。そんななか、ラウラの暮らすアパートのベランダでは鳩が巣を作り、やがてラウラはアパートの隣に暮らす母子家庭の男の子ニコラスとだんだん交流を深めていく。やがてイネスが生まれるが、イネスには生まれついて重度の障害があり明日を生きる保証もない状態だった。
イネスの誕生とニコラスとの交流、ベランダに巣を作った鳩……、ラウラの心は揺れ動き、本人がそれまで思いもしなかった自らの気持ちに気づかされていく。イネスの生命や母という宿命、女として生きることの葛藤……。そして、物語は思わぬ形で最後を迎えることになる。

【著者紹介】
グアダルーペ・ネッテル
1973年メキシコシティ生まれの、現代メキシコを代表する女性作家。2007年にヘイ・フェスティバルとボゴタ市が選ぶ〈ボゴタ39〉、39歳以下の期待のラテンアメリカ作家39人に選出される。2013年に『赤い魚の夫婦』(邦訳は2021年、現代書館)でリベラ・デル・ドゥエロ国際短編小説賞を、2014年に小説『冬のあとで』でエラルデ小説賞を受賞。ほかに『花びらとその他の不穏な物語』(邦訳は2022年、現代書館)。
最新作は、『さまよえる者たち』(2023年)。作品は英語をはじめ、十数か国語に翻訳されている。

【訳者紹介】
宇野和美(うの・かずみ)
東京外国語大学スペイン語学科卒業。主な訳書に、グアダルーペ・ネッテル『赤い魚の夫婦』『花びらとその他の不穏な物語』(現代書館)、ハビエル・セルカス『サラミスの兵士たち』(河出書房新社)、アンドレス・バルバ『きらめく共和国』(東京創元社)、マルセロ・ビルマへール『見知らぬ友』(福音館書店)、セルバ・アルマダ『吹きさらう風』(松籟社)、フェルナンダ・メルチョール『ハリケーンの季節』(早川書房)などがある。
2024 年、日本翻訳家協会より翻訳特別賞受賞。


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